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太陽の下に咲く椿のように

「そのころ私はまだ15で、全てを知ることができる。全てを手に入れることができる。全てを彼に差し出し、共に笑い飛ばす権利が自分にのみあるのだと思い込んでいた。私が欲しているのは体を貫くようなまばゆい閃光だけなのだ。目が回るほど、息が止まるほど、震えるほど。」

 

2016年11月5日、『溺れるナイフ』を観ました。とてもとても強い衝撃でした。話の内容を深読みすればするほど真夏の太陽のようにジリジリと熱く、私の心を蝕んでいくようで。どんどん深く深く溺れていく。本当に恋愛観が狂いそうな作品だった。

 

 

コウ「アホ。俺はええんじゃ。海も山も俺は好きに遊んでええんじゃ。」
夏芽「そんなの拷問だよ...。」
コウ「この町のもんは全部俺の好きにしてええんじゃ。」

 

コウちゃんは夏芽ちゃんと一緒に海に落ちた後、こんな風に言った。大人も子供も、その町の人たちは皆が口を揃えて言う。「特別じゃけえ。」

 

夏芽「もう、なんで?私のこと好きじゃないの!?」
コウ「お前はきれいじゃけ、自分のもんにしたろう思っとったがもうええわ。」
夏芽「やだやだやだ!私、面白く生きてみせるから!」
コウ「俺の言うとおりに面白くかいのぉ。」
夏芽「コウちゃんが後悔するぐらい私、面白くなるよ!」

 

きれいなものを自分のものにしたいと思うコウちゃん。夏芽ちゃんはコウちゃんと一緒にいるために映画の話を断ろうとした。それがコウちゃんは面白くなかった。「好きな人(コウちゃん)と一緒にいたいよ。」 普通の女の子が言う言葉だったから。特別だと言われてきたコウちゃんにとってそれは普通でつまらないものだった。

 
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夏芽「眉毛(笑)」
大友くん「眉毛やめんしゃい。なんかな、望月さ、困ったことあったら俺に言うてええからな。」

 

椿全般の花言葉は「控えめな優しさ」   「誇り」。赤い椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」「謙虚な美徳」。西洋での花言葉は「あなたは私の胸の中で炎のように輝く」。まさに大友くんを表したような花言葉だ。温かくて優しい。それでいて力強い。

鮮やかで時間が止まったみたいだった。

 

夏芽「私は1日もあの日を忘れたことなんてないよ!コウちゃん...なんでやっつけてくれなかったの?」
コウ「俺たちはよぉ、どうも幻想を見合っとったんじゃのう。」

 

コウ「お前の言う輝かしいコウちゃんはもう死んどるんじゃ。」
夏芽「じゃあ私たち、あいつの呪いにかかったまんまなんだね!心中したんだね。一緒にダメになっちゃったんだね。ねぇ。海も山も...コウちゃんのものだよ。ううん...全部が。コウちゃんが遊んじゃいけないものなんてないよ。そういうふうに触ってよ。」

 

コウちゃんは特別で神さんみたいな力があると思っていた。夏芽ちゃんもコウちゃん自身も。でも違った。否定された。特別なコウちゃんが。火祭りの日に全部が変わってしまったんだ。 

 

夏芽「眉毛。」
大友「眉毛。」
夏芽「眉毛!」
大友「望月〜。」
夏芽「大友!」
大友「望月!」
夏芽「大友!!」
大友「見せんしゃい!この眉毛を俺に!」
夏芽「自分は見えてるけどね(笑)」
大友「望月。」
夏芽「眉毛!」
大友「夏芽!」
大友「俺が笑わせちゃるけなんでもしてやりたいんじゃ。」
夏芽「ううん、大友頑張らなくていいよ。」
大友「いや、頑張らして。」

 

大友くんが「夏芽」と呼んだ。初めて。夏芽ちゃんは「頑張らなくていいよ。」って言ったけど大友くんは絶対に頑張りたいって思ったんだ。笑わせたいって思ったんだよね。

大好きな悪魔と引き裂かれ

王子様とキスをした

 

夏芽「私、コウちゃんといたいよ。もう離れたくない。」
コウ「夏芽、遠くに行けるのがお前の力じゃ。どこに行ったとこでお前はきれいじゃけぇの。」
夏芽「そんなことないよ!」
コウ「俺はよう...お前に何にもしてやれんのじゃ。」
夏芽「やだ、コウちゃん...。」
コウ「誇り高くおりたかったわ...。お前が望んだみたいによ...。」

 

コウちゃんもきっと夏芽ちゃんと一緒にいたい。でも一緒にいたらお互いを傷つけてしまうかもしれない。コウちゃんは夏芽ちゃんを初めて見たとき「光って見えた。」と言った。自分と一緒にいることで夏芽ちゃんの光がどんどんなくなると思った。夏芽ちゃんを守るために離れた。2人のために。

 

大友「俺じゃダメなんか?」
夏芽「嫌いになって。」
大友「大好きじゃ!」
夏芽「こんな私なのに...ありがとう。」
大友「笑ってや、なぁ。笑ってよ。笑てよ、なぁ。笑えよ...。」

 

自分が振られて悲しいはずなのに苦しいはずなのに、こんな時でも夏芽ちゃんのことを想って「笑ってよ。」って言える大友くんは本当に優しい人だと思う。夏芽ちゃんはずっとコウちゃんに「勝ちたい。」って思っていたから夏芽ちゃんが落ち着ける、明るくなれるのは大友くんの前だけだった。けれど夏芽ちゃんは大友くんからも離れてしまった。

 

カナ「明日全部海に沈めるけえ。夏芽ちゃん、もう2度とコウちゃんに会わんで。」

 

中学生のころのカナちゃんは「コウちゃんと夏芽ちゃんが付き合えばええっておもっちょる。」って言っていたのに、まるで「夏芽ちゃんは災いのもとだから。」「この町で生まれ育っていない夏芽ちゃんは部外者だから。」とでも言うように突き放す。

 

夏芽「コウちゃん?」
コウ「おお、夏芽。」
夏芽「コウちゃん、私が前に進むかぎりコウちゃんの背中が見えるよ。思い出す。コウちゃんをずーっと思い出すんだよ。私あいつが死んでくれてせいせいしたの。一生解けない呪いでもせいせいしたんだよ。」
コウ「お前はよう、ここであったことは何も気にせんでええ。お前はお前の武器で天下取るところを俺に見してくれや!ずっと見ちょるけえの。」
夏芽「この海も山もコウちゃんのものだ!私もコウちゃんのものなんだぁ!」

 

夏芽「コウちゃん元気でね!」
コウ「おう、元気でな!」
夏芽「見ていてね。」
コウ「おお!ちゃんと見ちょるけえのお。」
夏芽「神さん。神さん。私の神さん!」

愛も平和も欲しくないよ

だって君にしか興味ないもん

 

夏芽ちゃんにとってコウちゃんは神さんで光だった。コウちゃんにとっても夏芽ちゃんは神さんで光だったんじゃないかって思う。

きっと女の子は誰でも夏芽ちゃんになれる。自分の神さんの神さんになれる。光になれるんだ。

 

重岡くんも言っていたけれど大友くんには幸せになって欲しい。大友くんの中学生時代、高校生活時代の1部だけじゃなくて大友くんの人生を見ていたかった。

映画の最後のクレジット、「重岡大毅(ジャニーズWEST)」の文字がすごく誇らしかった。

 

夢だったのではないかと思うほど皆が眩しく輝いていた。その輝きを失わないで。夏芽ちゃんの、コウちゃんの、大友くんの、カナちゃんの人生がこれからも輝き続けますように。

 

「君だけが私の光。」